地 震 力 の 算定             戻る 

 【1】地震力の計算方法     建物の地上部分に作用する地震力(地震層せん断力)は、階ごとに、 その階ごとに、その階以上の重量にその階の地震層せん断力係数 Ci を乗じることによって求めることと規定されている。     地震力=(固定荷重+積載荷重)× 地震層せん断力係数     Q = (G + P) × C     なお、特定行政庁が指定した多雪区域については、次式による。     Q = (G + P + 0.35×S) × C  【2】地震層せん断力係数 Ci の算定     建築物の地上部分の一定の高さにおける地震層せん断力係数 Ci は、 次の式によって得られる。     Ci = Z × Rt × Ai × Co     Z : 地域係数     Rt : 振動特性係数     Ai : 地震層せん断力係数の高さ方向の分布係数     Co : 標準せん断力係数

 地 域 係 数 Z
 地   方 数値
(1) (2)から(4)までに掲げる地方以外の地方1.0
(2)北海道のうち
札幌市 函館市 小樽市 室蘭市 北見市 夕張市 岩見沢市 網走市 苫小牧市 美幌市 芦別市 赤平市 美笠市 千歳市 滝川市 砂川市 歌志内市 深川市 富良野市 登別市 恵庭市 伊達市 札幌郡 石狩郡 浜益郡 松浦郡 上磯郡 亀田郡 茅部郡 山越郡 檜山郡 爾志郡 久遠郡 奥尻郡 瀬棚郡 島牧郡 寿都郡 磯谷郡 虻田郡 岩内郡 古宇郡 積丹郡 古平郡 余市郡 空知郡 夕張郡 樺戸郡 雨竜郡 上川郡(上川支庁)のうち東神楽町、上川町、東川町および美瑛町 勇払郡 網走郡 斜里郡 常呂郡 有珠郡 白老郡 青森県のうち 青森市 弘前市 黒石市 五所川原市 むつ市 東津軽郡 西津軽郡 中津軽郡 南津軽郡 下北郡 秋田県 山形県 福島県のうち 会津若松市 群山市 白河市 須賀川市 喜多方市 岩瀬郡 北会津郡 耶麻郡 大沼郡 西白河郡 新潟県 富山県のうち 魚津市 滑川市 黒部市 下新川郡 石川県のうち 輪島市 珠洲市 鳳至市 珠洲郡 鳥取県のうち 米子市 倉吉市 境港市 東伯郡 西伯郡 日野郡 島根県 岡山県 広島県のうち 徳島県のうち 美馬郡 三好郡 鳳至市 珠洲郡 香川県のうち 高松市 丸亀市 坂出市 善通寺市 観音寺市 小豆市 香川郡 綾香郡 仲多度郡 三豊郡 愛媛県 高知県 熊本県((3)に掲げる市および郡を除く) 大分県((3)に掲げる市および郡を除く) 宮崎県
0.9
(3)北海道のうち 旭川市 留萌市 稚内市 紋別市 士別市 名寄市 上川郡(上川支庁)のうち鷹栖町、当麻町、比布町、 愛別町、和寒町、剣淵町、朝日町、風連町、および下川町 中川郡(上川支庁) 網走市 苫小牧市  美幌中川市 芦別市 赤平市 美笠市 千歳市 滝川市 砂川市 歌志内市 深川市 富良野市 登別市  恵庭市 伊達市 札幌郡 石狩郡 浜益郡 増毛郡 留萌郡 苫前郡 天塩郡 宗谷郡 枝幸郡  礼文郡 利尻郡 紋別郡 山口県 福岡県 佐賀県 長崎県のうち 熊本県のうち 八代市 荒尾市 水俣市 玉名市 本渡市 山鹿市 牛深市 宇土市 飽託郡 宇土郡 玉名郡  熊本郡 葦北郡 天草郡 大分県のうち 中津市 日田市 豊後高田市 杵築市 宇佐市 西国東郡 東国東郡 速水郡 下毛郡 宇佐郡 鹿児島県(名瀬市および大島郡を除く) 0.8
(4)沖縄県  0.7

 【a】地域係数     地域係数Zは、その地方における過去の地震の記録等に基づき1.0から 0.7までの範囲内で「告示」で定められている。東京、大阪、京都等は Z=1.0で低減はない。      【b】振動特性係数 Rt     地盤の性状(卓越周期 Tc)と建築物の固有周期Tとの関係によって 建築物の地震に対する応答の     T < Tc の場合 Rt = 1     Tc ≦ T < 2Tc の場合 Rt = 1 - 0.2(T/Tc-1)2 2Tc ≦ T の場合 Rt = (1.6Tc)/T T : 次式によって計算した建築物の設計用1次固有周期(秒) T= h(0.02+0.01α) h;建築物の高さ α;当該建築物のうち柱および梁の大部分が鉄骨造である階( 地階を除く)の高さの合計 h に対する比 Tc:建築物の基礎の底部(剛強な支持杭を使用する場合にあっ ては、当該支持杭の先端)の直下の地盤の種別に応じて決 まる[秒]  【c】高さ方向の地震層せん断力分布係数 Aiの算定方法 建築物の上部には底面の数倍の加速度が加わることが明らかになっている。     この加速度の差を地震力の算定に反映させるための係数が Aiである。     Ai= 1 + (1/qurt(αi) - αi) ×(2×T)/(1+3×T)      αi=建物重量の比      αi=Wi / W1 Wi=i階以上の建物重量 W1=1階以上の建物重量

建築物の設計用1次固有周期 T [秒]

構造種別固有周期 T
RC,SRC 造0.02 h
S 造0.03 h 
混用構造(0.02+0.01α) h

 Rt = 1.0 となる高さ h の限度

 1種地盤2種地盤3種地盤
RC, SRC20 m30 m40 m
S13.3 m20 m26.6 m

地盤の種類と性状(卓越周期 Tc [秒])

地 盤 種 別地 盤Tc
第1種地盤
(硬質)
岩盤、硬質砂れき層、その他主として第3紀以前の地層によって構成されているもの、 または地盤周期等についての調査もしくは研究の結果に基づき、これと同程度の 地盤周期を有すると認められるもの 0.4
第2種地盤
(普通)
第1種地盤および第3種地盤以外のもの 0.6
第3種地盤
(軟弱)
腐食土、泥土、その他これらに類するもので大部分が構成されている沖積層(盛土がある場合 においてはこれを含む)で、その深さが概ね30m以上のもの、沼沢、泥海等を埋め立てた地盤の 深さが概ね3m以上であり、かつ、これらで埋め立てられてから概ね30年経過していないもの、 または地盤周期等についての調査もしくは研究の結果に基づき、これらと同程度の地盤周期を 有すると認められるもの 0.8

高さ h と Rt との関係  [鉄筋コンクリート造]

 鉄筋コンクリート造 T=0.02h
hRt
第1種地盤 Tc=0.4h≦20m Rt=1.0
20m<h≦40mRt=1-0.2(0.05h-1)2
40m<hRt=32/h
第2種地盤 Tc=0.6h≦30m Rt=1.0
30m<h≦60mRt=1-0.2(0.033h-1)2
60m<hRt=48/h
第3種地盤 Tc=0.8h≦40m Rt=1.0
40m<h≦80mRt=1-0.2(0.025h-1)2
80m<hRt=64/h

高さ h と Rt との関係  [鉄骨造]

 鉄骨造 T=0.03h
hRt
第1種地盤 Tc=0.4h≦13.3mRt=1.0
13.3m<h≦26.7mRt=1-0.2(0.075h-1)2
26.7m<hRt=21.33/h
第2種地盤 Tc=0.6h≦20m Rt=1.0
20m<h≦40mRt=1-0.2(0.05h-1)2
40m<hRt=32/h
第3種地盤 Tc=0.8h≦26.7m Rt=1.0
26.7m<h≦53.3mRt=1-0.2(0.038h-1)2
53.3m<hRt=42.7/h
地震層せん断力係数 Ci
Ci = Z・ Rt・ Ai・ Co 
 建物構造 
 地盤種類 
 地域係数 
 標準せん断力係数 Co
 建築物の高さ  m
 1階以上の建物重量 kN
 当該階以上の建物重量 kN

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固有周期 T
振動特性係数 Rt
卓越周期 Tc
高さ方向分布係数 Ai
層せん断力係数 Ci

 h:建築物の高さ 入力   ⇒ 設計用1次固有周期 T     振動特性係数 Rt  W :地上階の建物の総重量[地震力用]    Wi:当該階以上の建物重量[地震力用]入力   ⇒ 地震力高さ方向分布係数 Ai      層せん断力係数 Ci  【3】地下部分の地震力     地下部分の重量(固定荷重+積載荷重)に次式によって計算した水平 震度 Kb を乗じて求める。 Kb ≧ 0.1 (1 - H / 40) Z Kb : 地下部分の水平震度 H : 地下部分の地盤面からの深さ[m]H > 20m →H = 20m Z : 地域係数 Pb = Kb・Wb Pb : 地階部分の地震水平力[kN] Wb : 地階部分の重量[kN]

地下部分の水平震度 Kb
 地域係数 
 地下部分の地盤面からの深さ  m
 地下部分の重量  kN

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地下部分 水平震度 Kb
地下部分 地震水平力 Pb

 【4】地下部分の地震層せん断力     地下部分の地震層せん断力 Qb は1階に作用する地震層せん断力を求     め、地下部分の重量に地下部分の水平震度 Kb を乗じることによって     得られる地震水平力 Pb を加算することによって求められる。 Qb = Q1 + Kb・Wb     Qb : 地下部分の地震層せん断力[kN] Q1 : 1階の地震層せん断力[kN] Kb : 地下部分の水平震度 Wb : 地階部分の重量[kN]  【5】屋上水槽等の地震力     屋上水槽等の転倒、移動の防止措置をした場合の地震力は、1/2まで 低減できる。 P = Kp・W P : 地震力 Kp : 水平震度 地域係数 Z ≧ 1.0 W : 屋上水槽等と支持構造部の固定荷重+積載荷重 ただし多雪区 域は積雪荷重加算

※ [引用文献]建築基準法・同施行令・学芸出版、上野嘉久著「実務から見た鉄骨構造設計」